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窓の違い APWフォーラム盛岡2015

「窓を考える会社」のYKKap主催のAPWフォーラムに参加してきました。今回の講演は東京大学の准教授の前氏。窓の力で省エネ快適を実現すると題した講演は、窓を取り巻く今の日本の実情や世界との比較、省エネ基準の必要性(やはりあくまでも最低限)、自身の体験談などユーモアも交えたあっという間の時間でした。多分その筋の業界関係者でなくともす〜っと入ってくるとても興味深い内容だったと思います。

一部をご紹介すると。
YKKさん主催なので窓に関する一枚。
窓の違い APWフォーラム盛岡2015_f0084138_22304528.jpg

左がこの辺では車庫などでしか見られなくなったアルミ枠+1シングルガラスのサッシ。
右がこの冬完成のAJITO@十文字にて実装の樹脂枠+3トリプルガラスのAPW430。
サーモカメラでは一目瞭然。左の窓では真冬に外の気温が体感できるほど冷えきっているのがわかります。せっかくの暖房の熱もどんどんと垂れ流し状態です。それに比べて右は、サーモカメラでは外の気温が見えないほどに十分な違いを発揮しているのがわかります。外へ逃げる熱が少ないので暖房もわずかで済むというわけなのです。
家の外壁面積に占める割合の少ない窓のチョイス一つでこれほどまでに室内の温度環境に大きな差が生じているのです。

そして、窓が冷たすぎると冬は結露の原因になります。結露が起きると、窓は涙を流し窓の下枠はダラダラ。もしそれが窓枠(窓まわりの化粧枠)に隠れて見えないサッシ枠の結露水は、拭き取ることもできないので湿り気抜群のカビのすみかになりかねません。窓周辺の柱などの腐食にもつながり、いいこと無しです。しいてメリットを言えば「建てるときは安くすむ」というだけで、長く住み続けるには「カビや腐食と仲良く暮らす」か「メンテ費用を再投資」するかを選択せねばなりません。もはやいいこと全く無しです。

横手では寒すぎて誰も新築にアルミ+シングルガラスは採用しないと思いますので、ご安心くださいませ。(もし万が一、新築でそれがあったとすれば、それはかなりの勇気をもってして住まわなければならない家です)

などなど、作り手側ではもはや常識的ことですが、住まう方々も「えっ、マジか!」「そりゃないよ!」とならないためにも新築・リフォーム前にはある程度の「本当の知識」を知っておくことも大切かもしれません。

ちなみに・・・
樹脂窓が良い良い!と言っているわけですが、実は最高にいいわけではないのです。アルミに比べてれば1/1000も樹脂のほうがいいわけで、そもそもアルミが熱を伝えやすいという話。上には上がいて、やっと日本の一般の窓が世界に追い付いてきたという話で、まだまだ良い窓はいっぱいあります。もちろん日本にも、より高性能な木製サッシなど多々あります。

断熱材のたっぷり詰まった外壁に比べたら、熱の逃げやすい(入りやすい)部分が窓です。そのウィークポイントな窓を性能UPしてあげることは、簡単に家全体の性能UPにつながり、コスパの高い工事になります。(断熱材がしっかりあるという前提で)
ただ光を取り入れる、風を取り入れる、向こうを眺めるだけが窓ではありません。室内の冷暖房の逃げ口ともなるのが窓です。家からの熱ロスは、せっかく稼いだお金のロスと同じこと。枠の色だけの打合せじゃ済まされないほど重要ポイントなんです。
窓の違い APWフォーラム盛岡2015_f0084138_22295416.jpg

・・・
長々とありがとうございます。良いアウトプットができるようこれから精進いたします。

by iwamurakensyo | 2015-08-04 23:34 | ローエネルギー  

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